膨大な「食」に関する情報を整理するための「4つの視点」とは?

食に関する情報を得る時は、その情報が「栄養」「栄養素」「食物」「食生活」のどれなのかを判断することが大切です。

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Daria-Yakovleva / Pixabay

生活習慣病や眼病などの発症には、食の生活習慣も大きく関わっています。

そのため、私たちの健康や食に関する興味も高く、テレビや雑誌を中心としたマスコミから流される健康は食に関する情報も膨大なものになっています。

そして、主に家庭の中で育まれてきた食生活に関する伝承も薄れてきた現在では、私たちの主な情報源はマスコミが中心となっています。

でも、マスコミの情報は何でも信じられるものなのでしょうか?

また、膨大に溢れる情報をどのように選別し、自分や家族の健康のために取り入れていけばいいのでしょうか?

「食の情報」が混乱している原因とは?

私たちは食の専門家ではないですが、自分や家族の健康のために、食に関する情報に対しては、的確に判断する必要がありますよね?

今、食に関する情報が溢れ、混乱してしまう原因のひとつに、「栄養」「栄養素」「食物」「食生活」の言葉の混同があります。

つまり、今の時代は情報が何を指し示しているのかを自分自身で的確に判断して整理し、食生活を含めた自分のライフスタイルを自分で考えることが求められる時代なのです。

フレンチ・パラドクスという言葉を知っていますか?

あなたは「フレンチ・パラドクス」という言葉を聞いたことはありますか?

「フレンチ・パラドクス」とは、バターたっぷりのソースはフランス料理の特徴ですし、肉の消費量も正解有数なのに、なぜかフランス人の心臓疾患や脳疾患などの生活習慣病の発症率が低いのです。

この矛盾が「フレンチ・パラドクス」と呼ばれています。

その理由の一つはフランス人が、肉を食べる時に赤ワインを飲んでいるということ。赤ワインには、ぶどうの皮の色素成分のアントシアニンというポリフェノール化合物の一種が含まれていて、それが血液の流れを良くするためだと言われています。

そこから「赤ワインはポリフェノールが入っていて身体に良い」と一般に言われるようになりました。

でも、これは本当に正しいのでしょうか?

少しだけ、言葉を整理してみたいと思います。

赤ワインは「食物(食品)」のことです。ポリフェノールは「栄養素(栄養成分)」のことです。

一方で、「栄養」というのは、人間の口から入ったものが身体の中で人に有益に変化すること。すなわち、身体に良いことを意味します。

このように言葉を分解して考えてみると、例えば、アルコールに弱く、お酒を飲めない人にとっては「赤ワインは身体に良い」とはとても言えないのではないでしょうか?

つまり、身体に良いと言われているのは、ポリフェノールという「栄養素(栄養成分)」のことであり、赤ワインという「食物(食品)」は、人によって良いとは言い切れないのです。

「食」に関する情報を整理しよう

お昼の主婦向けのテレビで、ある成分が身体に良いと放映されると、スーパーでその成分が含まれる食品が良く売れますよね?

食に関する情報を得る時は、その情報が「栄養」「栄養素」「食物」「食生活」のどれなのかを判断することが大切です。

「栄養」とは何か?

「栄養」とは、生物が食物を摂取して身体をつくり、エネルギー代謝を行い、不要になったものを排泄するという一連の生命現象を営む状態をあらわす言葉です。

その作り変えの過程を「代謝」といいます。

人間における栄養素は「食物を摂取して、その成分をエネルギーや体成分に利用して健康を維持・増進する状態」です。

したがって、栄養は年齢や性別をはじめ、個人の消化吸収能力等によって異なるのです。

「栄養素」とは何か?

人が生きていくために必要とされる食物中の成分を「栄養素」といいます。そして、糖質、脂質、たんぱく質、無機質(ミネラル)、ビタミンを5大栄養素といいます。

ビタミンやミネラルは、各食品に極微量しか含まれていないため、微量栄養素と言われています。

また、最近では、従来「非栄養素」として位置づけられていた食物繊維や約25,000種の植物性化学物質(フィトケミカル)も第6,第7の栄養素としていく動きもあります。

「食物」とは何か?

食品には、3つの機能があります。

それは栄養素を補給し生命を維持する1次機能、食欲を満たし味覚を満足させ食の楽しみを与える2次機能、生体調整機能などの人体機能を向上する3次機能です。

例えば、お茶の1次機能はビタミンCや葉酸の補給、2次機能は美味しい味と香り、そして3次機能は、神経の活動を高めるカフェインの働きや活性酸素を除去すると言われているカテキンの働きです。

しかし、最近では、手軽に空腹を満たし、嗜好を満足させるためだけのエンプティフード(糖質や脂質が大部分でビタミンやミネラルなどの他の栄養素を欠く食品)が多く出回っていて、これらの摂取に栄養素の不足やカロリーの過剰による肥満が問題になっています。

「食生活」とは何か?

「食生活」とは私たちの日常生活の重要な一つである「衣食住」の中のひとつです。

朝起きて顔を洗い、衣服を整えて、部屋を片付ける。そして、食事をする。これらのことは、大人であれば誰でも当たり前にする生活の基本です。

また、食生活は個人的なものであり、食習慣はなかなか変えにくいことから、幼い頃からの食の教育である「食育」が重要な鍵になります。

食生活は、住環境や社会現象によって影響されます。昔は、民族の伝承もあり、住んでいる地域や時代、社会によって大きく異なっていました。

しかし、今は、世界経済及び産業のグローバル化時代になり、食生活の均質化が進んでいます。

まとめ

「〇〇が○○の健康に良い」と聞いて、盲目的にその情報を信じることは危険なことです。

目にした情報、興味を持った情報を「栄養」「栄養素」「食物」「食生活」に分けて考えてみることで、「自分や家族の健康に取り入れることができるか?」、「本当に役立てることをできるか?」を的確に判断することができるのです。